人の想いからはじまる
楽しいリノベーション。

株式会社 美想空間

代表取締役 鯛島 康雄さん

人と出会い、話すことと、サーフィンが大好き。仕事とプライベートの垣根はなく、さまざまな地方でサーフィンを満喫し、地元の方と語らうことが仕事でもあり、楽しみになっている。美想空間の公式YouTubeチャンネルでは、軽快なトークを披露している。

住宅に留まらず、リノベーションによって豊かなまちやライフスタイルをつくる「町リノベ」プロジェクト。
古ビルを「リノベーションで変わる暮らしが体感できる複合施設」へとコンバージョンし、町に新たな人の流れを生み出している「KLASI COLLEGE」は、2020年にグッドデザイン賞を受賞した。

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かつて港まちとして栄えた大阪市港区築港。その南側エリアはシャッターが目立ち、衰退が進んでいる。まちの寂しい風景に反して、多様なひとが集まり、出入りしている建物がある。リノベーションによって古ビル全体がオシャレなカフェのような空間に変わり、心地よく、穏やかな時間が流れる。株式会社美想空間が港区と連携し手掛けた「KLASI COLLEGE」だ。
「KLASI COLLEGE」は、いわば「暮らしの学校」。リノベーションで変わる暮らしが体感できる複合施設として、ワークショップやマーケットなども開催されている。「町に新たなにぎわいをつくろう」と、地元の人々と、関西一円から暮らしにこだわりを持つ人々を呼び込み、新しい人の流れをつくる拠点として生まれた。

美想空間がこれまで手掛けたリノベーション件数は約300件。その経験を活かし、今、新たなチャレンジとして「町のリノベーション」を試みている。
空き家問題、高齢化、働き手の流出など、否応なしに地方の課題が耳に入る。「家一軒を自分らしい住まいに変えるより、『町』をリノベーションするほうが、社会に必要なことだと思ったんです」と代表の鯛島さん。実は、その根底にはもっとシンプルな動機がある。「人に喜んでもらえることをやっていこう」「みんながもっと楽しくなることをやろう」。そんな明快な意思決定が、美想空間の新たな挑戦を生み、成長につながっている。

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鯛島さんのキャリアをひも解くと、意外にも受け身な面が目立つ。 大学在学中、先輩からの誘いをきっかけにWebバナー広告会社を起業し、数十億の売上を残す。その一方で、同級生が建物の洗浄作業を行う会社を立ち上げた際も、誘いを受けて営業を手伝った。

学業に加え、2社の業務を兼任。ハードな日々は、鯛島さんの心身を壊し、1年間ひきこもりの生活が続いた。「もともと自分がやりたい仕事ではなかったんです。でも、明確に何かをしたいというモチベーションもなかった」と振り返る鯛島さん。悩む日々のなか、こう決断する。「相手の顔が見えて、喜んでもらえる仕事をしよう」と。それが建物の洗浄作業の会社であり、美想空間の前身となった。

創業者の同級生が抜け、鯛島さんの会社としてリスタート。洗浄だけでなく、お客様から「クロス貼りもやってほしい」といったニーズが増え、リフォームやリノベーションへと仕事の幅が広がっていった。必要とされるから、やってみる。その結果、喜んでもらえる。シンプルだからこそ迷わない意思決定が新たなチャンスを呼び、鯛島さんのビジネス感覚は磨かれていった。「幸いにも先を考えることが好きで、リフォームが価格競争に陥ると判断すれば、事業の主体をリノベーションに移し、さらにリノベーションの浸透が進むと予想して、戸建てやカフェ空間といった高付加価値を打ち出しました」。

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今、鯛島さんの先見の目と、ビジネスへの動機が合致しているのが「ワーケーション」だ。地方の空き家をワーケーション拠点としてリノベーションし、利用者と地元住民の新たなの交流をつくっていく。空き家解消はもちろん、コミュニティ拠点として機能させることで、ビジネス創出や移住につなげていくことが大きな狙いだ。それはワーケーション施設を紹介・マッチングするようなサービスでは成しえない、持続可能なにぎわいづくりを可能にする。現在、全国5拠点で計画が進み、鯛島さんは各地に足繁く通っている。

鯛島さんにとって、いずれも見知らぬ町だが、壁はないのだろうか。「僕にとっていちばんの興味の対象は人なんです。それぞれの場所で誰かと出合ったら、その人のことを単純に知りたいから話しかけます。その中で、相手が困っていることがわかり、僕たちができることがあれば、やりましょうとなる。とてもナチュラルにはじまるのが、僕たちの町リノベであり、ワーケーション事業なんだと思います」。鯛島さんが前提とするのは「人と人」であり、内と外という感覚がないから、そもそも壁なんて存在しない。場所や事業が変わろうが、いつも中心には「人」がいて、誰かに喜んでもらいたいという想いがある。美想空間の立ち上げから変わらない姿勢が、ここにもある。

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鯛島さんの人への興味は、顧客や地域住民だけでなく、従業員に対しても同じだ。従業員のことを知りたいし、従業員に喜んでもらいたいと。そもそもワーケーション事業も、そんな従業員への想いから始まった。
「ある従業員が『将来、淡路島でゲストハウスをしながら仕事をしたい』と夢を語ってくれたんです。でも、それを個人で実現するのは難しい。それなら会社としてその夢を叶えられる方法がないかと考えたのが、ワーケーション事業のきっかけでした」。
美想空間の事業は、人の願いや想いが最初にあって、ビジネス設計が始まり、マネタイズのモデルを構築していく。通常はマネタイズありきでビジネスをつくっていくが、「僕たちはマネタイズが最後。いちばん奥にあります」と鯛島さん。「だから胡散臭く見えるのかもしれませんが、そっちのほうがぜったい楽しい」と笑顔で話す。

鯛島さんに理想像を尋ねると「映画に例えるなら、俳優ではなく、監督のほう。裏方で誰かを支え、おもしろいものをつくっていくほうがかっこよくて、好きなんです」と教えてくれた。鯛島さんの監督的モチベーションが、私たちの住まいや町をもっと楽しく、豊かなものに変えてくれると、さらに期待が膨らむ。

株式会社 美想空間

〒552-0021
大阪府大阪市港区築港2丁目1-27 (大阪本店)
TEL:0120-994-032

URL:https://www.bisoukuukan.com/

当社支援内容
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