interview

いつまでも美しく、おしゃれに。
人生を楽しむための、強い髪を。

株式会社 IBTJ 代表取締役 木田 雅夫さん

アシックスやソニー生命を経て、妻の大和谷朱美さんと株式会社IBTJを設立。医療現場で褥瘡用治療に用いられていた炭酸バブを応用し、美容用の炭酸パックを開発した。現在では炭酸パック・炭酸化粧品のOEM受託で1000件以上の実績を誇る。広い視野と柔軟な発想で基礎研究を美容などの領域に展開し、画期的な製品を生み出している。

株式会社IBTJが開発した「HSC強髪」は、従来のコーティング(皮膜)系トリートメントではなく、頭皮に直接作用する次世代のトリートメント。1ヵ月に2回、「HSC強髪」を用いて定期的に髪をメンテナンスすることで髪の悩みが解消し、自由なヘアスタイルを楽しむことができる。現在、取り扱うヘアサロンが続々と増え、2500店舗を突破した。

女性の悩みを解決するために
産学連携で取り組んだ開発研究

髪のボリュームが少なくなっているように感じる。最近、髪の毛が細くなり、地肌が見ているのではないかと心配だ…。年齢とともに増えてくる、髪の悩み。そんな悩みを抱えている女性が今、注目している育毛トリートメントが「HSC強髪」だ。

HSC強髪」は、「ヒト幹細胞培養液」を主成分として開発された先駆的な製品。
薄毛や抜け毛の原因のひとつは、ターンオーバーと呼ばれる細胞の代謝が進まなくなることだと言われている。ヒトの細胞は一定の周期を経て新しく生まれ変わるのだが、その期間が年齢によって長くなることで頭皮の元気がなくなり、様々な髪の悩みを引き越してしまう。「ヒト幹細胞培養液」はこのターンオーバーのサイクルを適正化する能力があり、「HSC強髪」はその効果をダイレクトに頭皮に与え、頭皮をより健康な状態へ変えていくことができる。

さらに「HSC強髪」には、古代インドで生まれ5000年以上かけて蓄積・淘汰された「アーユルヴェーダハーブ」を科学的に検証し、細胞の増殖を活性化する有効なハーブを抽出し組み合わせたものが配合されている。「ヒト幹細胞培養液」と「アーユルヴェーダハーブ」の相乗効果によって毛髪環境を根本から改善する製品は、これまでにほとんど事例がない。製造販売元の株式会社IBTJは横浜市立大学理学部や富山大学医学部などと連携し、明確なエビデンスをもとに製品化に成功した。

「他社が真似しようとしてもできない。私たちは肌や髪、そしておしゃれに悩む女性に本当に必要なものをつくりたいという強い思いを持って研究・開発を重ねています。それは一朝一夕で出来るものではない。しかし、世の中に出回っている化粧品の多くは既製品を真似るか、配合成分を少し変えだけのものが多い。私たちは絶対にそんな製品を開発したくなかった」と同社代表の木田さんは振り返る。

見せかけの効果ではなく
実証されたものをお客様へ

株式会社IBTJは、木田さんと妻の大和谷朱美さんが2005年に設立した。そのきっかけは、市販の化粧品に対する違和感だった。

通常スキンケア商品は、薬機法によって「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」に分類されている。「医薬品」は厚生労働省より認められた有効成分を持つもの、「医薬部外品」は厚生労働省に認められた成分が一定の濃度配合されたもの、「化粧品」はそれら以外の成分が配合されたものを言う。そのため「医薬品」「医薬部外品」はシミやシワを防ぐといった効果を訴求できるが、「化粧品」は同様の効果を正式には認められていないため、そうした訴求ができない。

「それなのに多くの女性が市販の化粧品を効果があるものと信じています。美しい女優がその商品の広告塔となり、イメージ戦略で売っている。大手メーカーが気にしているのは、売れることと安心・安全のみ。商品を使って何かトラブルが起きないように気を使っているだけ。そんな商品で美しくなれると思いません。市販の化粧品に強い疑問を感じました」。

何より、木田さんと大和谷さんは市販の化粧品に対して「女性の悩みを真剣に解決したい」という思いを感じることができなかった。それなら「自分たちでつくるしかない」と同社をスタートさせた。

「私たちの商品には、美しい女優なんて必要ありません。自分たちが使い続け、その効果を実証している。大手のような広告が無くても、利用いただければ女性の悩みに必要なものだと理解いただけます」。

スタイリストが本領発揮でき
さらに女性が美しくなる

会社設立時の思いは「HSC強髪」にも受け継がれ、市販の育毛商品と一線を画すものを生み出した。その特徴は成分や機能だけにとどまらない。販売方法にもこだわり、直販を行わずヘアサロン等での取り扱いに限定している。

「私たちは女性の悩みとともに、ヘアサロンの現状も気になっていました。以前は華やかな業界でしたが、今は競争が激化し、経営に苦労しているサロンが多い。そんな中、髪の毛に悩む女性が増え、おしゃれを諦めてしまえば、さらに客足が遠のいてしまう」。

木田さんは、ヘアサロンの課題を解決にするには、まず女性が年齢を重ねても髪に悩まず、おしゃれを楽しめないと何も始まらないと考えた。もし髪に自信があれば、美容院にも足繁く通うにちがいない。カラーやパーマを楽しむ方も増え、客単価の増加を見込めるはずだ。まさにヘアサロンは「HSC強髪」が必要な場所だったのだ。
ただしヘアサロンのオーナーには、こう伝えているそうだ。
「スタイリストには絶対に売らさないで」と。

「スタイリストは営業ではなく、人を美しく、可愛く、かっこよくすることが仕事です。そこにやりがいを感じています。だから『売ってほしい』とは思っていません。お客さんから強髪を使ってほしいとオーダーが入るような環境をつくっています。詳しくは言えませんが、独自の販売マーケティングを確立しています」。

HSC強髪」は、“スタイストが売る商品”ではなく、“スタイリストのモチベーションを上げる商品”。髪の悩みが消えることでスタイストが本領発揮でき、お客様はさらに美しく、おしゃれになる。木田さんは「HSC強髪」とヘアサロンがタッグを組み、女性がより人生を楽しめるようにしたいと話す。

異業種出身の興味が
従来にない商品を生み出す

木田さんは同社を設立するまで全く異なる業界にいた。大学では情報工学を専攻し、卒業後アシックスに入社。システム業務や経理、総務などを経験し、その後ソニー生命に転職した。「化粧品とは縁遠い世界にいたので、何もかもゼロからのスタート。でも、元々何にでも興味を持つほうでした」。

木田さんのビジネスの源には、この“興味の強さ”がある。さらにそれが畑違いの業界にいた者から生まれる“興味”であることが重要だった。
「皮膚は医学的に構造や機能についてほとんど解明されています。他の身体の領域に比べ、研究され尽くされている領域と言っていい。でも、基礎研究に携わる方って構造を解明することが第一。肌がどう綺麗になるか、どうしたらシミがなくなるかということに興味がないんです。一方で美容のプロは基礎研究に興味がない。私は、その二つがどう結びつくか、そこにものすごく興味を持ったんです」。

木田さんの化粧品への深い知識は全て、この興味からはじまっている。そして好奇心のアンテナを広げ、知り得た知識をそのままにせず別の領域に展開していく。たとえば、いま関心を寄せているのが鍼灸院や接骨院だ。ヘアサロンと同様に経営に苦しんでいる場所が多く、収益改善を狙えるツールを提供できないかと考えている。また、女性の美容だけでなく、男性の薄毛や抜け毛の問題にも向けて、新たな商品展開として薄毛対策用の「伝説のヘッドスパ」もリリース予定だ。
木田さんの興味から肌や髪の悩みはもちろん、様々な事業者の悩みを解消する種が生まれる。次にその興味はどこへ向かうのか、気になるところだ。

COMPANY

株式会社 IBTJ

〒598-0063 大阪府泉佐野市湊2-1-13
TEL:06-6533-5665
URL:https://ibtj.co.jp/

当社支援内容
ものづくり補助金事業再構築補助金
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