製造業のDXを叶え、
日本経済にインパクトを。

株式会社 ネクスタ

代表取締役 永原 宏紀さん

同志社大学工学部在学中に労務管理システムの開発を経験。卒業後キーエンスに入社し、営業3年目に事業部全国1位となる。その後、父の経営するシステム会社を経て、2017年にネクスタを設立。製造現場とシステム設計の知識、営業力では誰に負けないと自負する。

主力プロダクトである「スマートF」は、生産管理や在庫管理、設備管理の機能を有する製造業向けのクラウド型生産管理システム。オンプレミス型システムとは異なり、カスタマイズすることなく低価格で利用できるためスモールスタートが可能。システム導入や効果的な活用などのコンサルティングにも力を入れている。

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大量にある伝票を整理し、地道にエクセルで入力する。これまで製造業者にとって当たり前だった生産・在庫管理が、バーコードをスキャンするだけで瞬時に終わってしまう。
今、そんな衝撃的な体験をし、DX化を加速させているメーカーが続々と現れている。いずれにも共通しているのは、株式会社ネクスタが開発した製造業向けシステムプラットフォーム「スマートF」を導入していること。金属加工から食品、化粧品まで多岐にわたるメーカーが、まったく同じクラウドシステムを利用し、最適なDXを実現している。

「これがいかに画期的かは、製造現場やシステムに関わるものであればよくわかると思います」とネクスタ代表の永原さん。製造業の生産管理システムは、メーカーごとにニーズが細かく異なるため、完全オーダーメイドのオンプレミス型システム開発が当たり前だ。そのコストは1000万円以上。高額であることから、多くのメーカーはデジタル技術が進化しても既存システムを使い続けざるを得ず、遅々としてDXが進まない。
そこに初期費用30万円~、月額3.5万円~という低価格かつ、カスタマイズ不要で導入できるクラウドシステムをローンチした。IT業界で“不可能”と言われつづけてきたことを成し遂げ、メーカーにとって夢のようなプロダクトを生んだ。

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永原さんは、新卒で入社したキーエンスからシステム会社を経てネクスタを設立するまでに、延べ3000件以上もの工場を訪ねた。あらゆる製造現場を目にする中で、いつも感じたのが強烈な違和感だった。

「伝票を手入力するからミスが生まれ、棚卸しのときに大混乱…そんな場面に何度も遭遇しました。2000万円のシステムを導入しているのにですよ!また、システム会社は現場のことを知らないからメーカーの担当者の言う通りに開発しますが、メーカーの担当者はシステムの知識がないのでその設計が適切なのかをわからない。いざ、システムが完成したらまったく使えないシステムになっていた。そんなケースも何度も…」。
この非効率、非生産性がなんとかならないかというモヤモヤが、頭から離れなくなったという。

キーエンス時代、永原さんは製造現場のことは理解していたが、大学時代に学んだシステム設計の知識だけではメーカーに適う生産管理システムの開発は難しいと感じていた。そこで同社を退職し、父親が経営するシステム会社で顧客ヒアリングから開発、導入までを何百件と経験した。その積み重ねのなかで、カスタマイズしなくても製造業共通で利用できる「スマートF」の構想が少しずつ形づくられていった。

「これは、製造現場とシステム設計のどちらも経験している自分だからこそできること。自分がやらないといけない」。そう使命感を強く感じ、既存の仕事をストップさせて開発に集中した。
「自信はなかったです。周りからは無理と言われました。でも、無理やりでもやる、そうしないと革新的なシステムなんて生まれないと思いました」。

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「スマートF」は、膨大な製造現場とシステム開発の経験、そして顧客調査から共通項を導くことでカスタマイズ不要なプロダクトとして完成させている。さらに顧客によって異なる部分はパターン化し、設定でパターンを切り替えることでどんな業態のメーカーでも最適に利用できるようになっている。
「今もお客様の要望を聞きしながら、スピード重視でアップデートを行っています。これは終わりがないもの。一生開発していく覚悟です」。

永原さんがめざすのは、生産管理の効率アップだけではない。同社は「あらゆる製造業に改善の教科書を」というミッションを掲げている。
「“教科書”には『弊社システムを利用することがそのまま収益改善のお手本になる』という意味を込めています。多くのメーカーが改善をしたくてもできなかったのはノウハウがなったから。「スマートF」はそのノウハウを提供できることも他社との大きな違いです。“見える化”もそのひとつです。「スマートF」は作業時間や不良率などを簡単にデータ化し、見ることができます。たとえば、どの工程で不良率が高いかを知るだけで、改善すべきポイントがわかり、1年後には不良率が確実に減っています」。

一般的な生産管理システムには、データを可視化する機能はほんどない。ましてや効果的なシステムの活用を提案できるコンサルティング力があるところもない。
「私たちには、豊富な現場経験から、お客様ごとに最適なシステム活用と収益改善のストーリーを描くことができます。プロダクトと一緒にそのストーリーをご提案することで、どんなメーカーでも必ず収益が上がる余地があると確信しています」。

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ネクスタではWeb受発注プラットフォームシステムの開発も計画している。これが完成すれば、発注側と受注側がクラウド上でシステムを共有でき、受発注の手間を大きく簡略化できる。たとえば、発注側が注文すれば自動で受注側にも登録され、受注先が納期を入力すれば発注側にも反映される。いまだに電話・FAXの受発注が主流の製造業において、革命的なシステムになるはずだ。

「日本の製造業は、ものすごくアナログなことをやっています。でも、きちんとITを活用してデータ経営を行えば、必ず収益改善ができます。もし日本の製造業において5%の収益改善ができれば、日本の経済にどれほど大きな利益をもたらすことか。それができるのが当社だと考えています」。

同社のビジョンは「日本経済に最大のインパクトを」

製造業において「スマートF」がスタンダードになれば、低迷している日本経済の底上げにつながり、メーカーによって再び世界に日本の競争力を示すことができるかもしれない。
「私は一度、起業することを諦めたのですが、自分にしかできないことを見つけたからにはやるしかないとネクスタを立ち上げました。まだスタートを切ったばかり、将来はキーエンスを超えるという意気込みで前へ進んでいきたい」。

株式会社 ネクスタ

〒550-0011
大阪市西区阿波座2-1-1大阪本町西第一ビルディング
TEL:06-6539-5505
FAX:06-6556-6240

URL:https://smartf-nexta.com/

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