interview

関西随一のクリーニング店が
最も大切にするのは「人」。

株式会社 ノムラクリーニング 福田 幸広さん

管理本部 部長。工場内を隅ずみまで案内してくださった福田さん。作業や機材ひとつひとつをとても丁寧に説明してくださる中に、お客様目線の考えやお客様への想いが感じられたことが強く印象に残った。ノムラクリーニングの理念を大切に、未来のクリーニングの形をめざしている。

クリーニングの受付も、商品の受け取りも、無人ロッカーで24時間可能なサービスを導入。営業時間を気にせずお客様の都合に合わせてサービスを利用でき、コロナ禍でも非対面での利用が可能な点が好評を博している。

「人」の育成こそが
クリーニングの品質を守る

大阪、奈良、兵庫、京都で約240店舗のクリーニング店を展開するノムラクリーニング。ワイシャツやスーツ、ジャケットといったビジネスに欠かせないアイテムをはじめ、セーター、ズボン、礼服、毛皮、カーテン、絨毯など、ありとあらゆるクリーニングを通じて、お客様に安心と信頼を提供する。

ノムラクリーニングが最重要視するのは、クリーニングの品質だ。クリーニング業界は、業務用洗濯機や乾燥機などの機材がそろえば、比較的参入しやすい業界だという見方もある。他社との差別化を図るには、サービスの品質を高く保ち、お客様のニーズをきめ細かく拾い上げる必要がある。そのためには、機械や溶剤を使いこなす「人」の育成が重要だ。人材育成は、現場の最前線で活躍するパート・アルバイトスタッフに経営理念や経営方針、社訓を浸透させることから始まる。同社の社訓には、「仕事は自分で考え自分の責任で」や「整理、整頓、清掃、清潔、躾」といった文字が並ぶ。

企業理念や社訓を浸透させ、
「自ら考え、動ける人」に

ドライクリーニングに用いられる石油系の溶剤は、同じものを幾度か繰り返して使用してから交換するのが一般的だ。溶剤の管理や交換時期の見極めには、現場で手を動かして技術を修得したスタッフの力量が欠かせない。もちろん、こうしたスタッフのスキルアップは一朝一夕で実現できるものではなく、店長クラスや管理職の人間が段階を踏んで指導を行っている。また、工場内に置かれたシミ抜き研究所では、シミ抜きだけでなく、汚れを落とした際色落ちしてしまった衣類を違和感なく着色する技術も日々研究されている。

「工場や店舗を清潔に保ち、物の置き場所を決めるなどの基本を守り、細かな行動の一つひとつに『当社が定めたクリーニングの品質を守る』という考え方を落とし込むこと。クリーニング店にとってはどれも当たり前のことかもしれませんが、これが重要です」と、福田さんはインタビュー中に語ってくれた。こうした企業文化の徹底的な定着により、店舗で活躍するアルバイトスタッフの仕事に対する意識は高い。お客様から「あの店員さん、社員さんかと思うほどのハイレベルな仕事ぶりですね」という言葉をいただくこともあるのだそうだ。

納品時期の調整により
顧客とスタッフの双方にメリットを生む

クリーニングが完了した商品の納品時期を調整するというのも、関西圏では同社が先陣を切って始めたサービスのひとつだ。4月、5月を迎えたクリーニング店には、コートなどの家庭では洗いにくい衣類が大量に持ち込まれ、その量は全店で多い日には156万点にものぼる。10年ほど前の繁忙期にはスタッフの労働環境にも影響があったそうだ。そこで、クリーニング後のご返却時期を閑散期の78月まで延ばし、ピーク時の作業量を減らす取り組みを始めた。これにより作業の平準化が可能になり、従業員の負担が軽減された一方で、顧客にとってはオフシーズンの衣類をクローゼット代わりに預けられるというメリットも生まれた。店舗ではその利点も踏まえながらお客様へのアナウンスを徹底。店舗と工場が連携できる環境を整えてから約8年が経過した今では、「引き取り時期はもっと先でも大丈夫ですよ」と自ら告げてくれる常連のお客様も増えたのだという。

コロナ禍におけるクリーニング需要そのものは減少傾向にあるが、繁忙期に持ち込まれる商品点数は多く、需要は変わらない。その中で、使用頻度が低くかさばる衣類を預けておけるクローゼットの役割を果たすこの取り組みは、クリーニング店に新たな価値を付加したサービスとして注目されている。

品質、接客、IT活用・・・
すべては「人」に帰結する

同社の取り組みはこれだけにとどまらず、営業時間外でもクリーニング済みの商品を受け取れる「モバイルロッカー」や「ロボ引き取りサービス」、専用バッグを預けるだけでクリーニングの受付が完了する「1秒受付®サービス」、スマートフォンアプリを活用した「アプリ会員サービス」などの便利なサービスを展開している。これらのサービスが開始したきっかけは、スタッフの働きやすい環境づくりを意識したことだった。これらのサービスにより、複数のお客様が来店した際には順番待ちの列ができてしまうという課題が次第にクリアされつつある。スタッフの労働環境と顧客のニーズ、それぞれのメリットを両立するこれらのサービスは今後もさらに発展する予定だ。

変化し続ける時代の波はクリーニング業界にも確実に押し寄せている。現状に満足することなく、お客様の声を聴き、他社にない便利なサービスを提供することが企業としての成長につながる、と福田さんは言う。今後数年間はお客様と対面でコミュニケーションできる実店舗を基盤に、ITを導入・活用したWebサービスの体制を強化することが目標だ。品質と生産性の両立をめざすノムラクリーニングの飛躍には、技術や接客対応、IT活用などの要素を支える「人」の存在があった。

CAMPANY

株式会社 ノムラクリーニング

本社:〒581-0017 大阪府八尾市高美町6-3-4
TEL:06-6616-9714
URL:https://nc-nomura.com

当社支援内容
令和元年度補正ものづくり補助金
ページトップへ